ふるさとの味
今年は父の十七回忌と母の十三回忌が重なったので、お盆は私と弟の家族8人でワイワイと賑やかに過ごしてきました。
『気仙沼に行ったら、まずはお寿司を食べます。』と甥のK君が小学校の時の宿題の作文で書いたように、お寺の帰りは実家から徒歩5分のお寿司屋さんへ直行。観光客が来る場所ではないので、静かで(私たちは十分うるさいが・・・)美味しい。いつもすごーく美味しい😋
若い頃父と二人で食べに行って、カウンター席で「何でも好きなものを頼みなさい。」と言うので、素直にウニ、イクラ、ウニ、イクラ・・・と頼んで食べた帰り道、「お前とは二度と行かん💢」と説教されたのを懐かしく思い出す。
寡黙な親方が帰りにそっと「仏壇へ…」と包みを渡してくれた。弟が珍しく神妙な顔をして受け取っていた。
別日の夜は、誕生日やら入学・卒業式やら、成人の御祝やらと家族の思い出いっぱいの海鮮のお店へ。
父の好きだった吉次と母の好きだったカレイの炭火焼きを中心に、バーン❗ドーン❗と出てくるとびっきりの海の幸に舌鼓を打ちながら程よく食べ散らかしていると、大将が出てきて「魚の食い方きたね~なぁ!」と大きな声で叱られる。
「大将元気そうで良かったぁ😃」なんて感傷的なことを言おうものなら「バッカヤロー💢まだまだ元気だ!何言ってるんだ!!」とまた叱られる。遠慮のないいつものやり取りが嬉しい。
それでも帰りに、「父ちゃんと母ちゃんにな。」と日本酒をぐいっと二本抱えさせられた時は胸がいっぱいになった。
店を出る前にお手洗いによって、壁一面に貼ってある大将自作の川柳の短冊に目を走らせる。あったあった💕私のお気に入りの一句。
『ぬくもりが 便座にあって 妻にない』
豪気な大将が、おかみさんだけには頭が上がらないんだなぁといつもクスッと笑ってしまう。変わらないふるさとの味と人情に、いっぱい元気をもらって帰ってきました。
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