しな布

 山形の呉服屋さんから新しい帯が届きました。しな布と呼ばれる樹皮から作られる帯です。葛布・芭蕉布と並んで日本三大古代布の一つ。2005年には伝統工芸品に指定されております。つまり、作る人もわずかで、締める人も少ない帯というこのになるのですが・・・⤵

 樹皮から採れる繊維を剥いで 灰汁で煮て薄く裂き、出来上がった糸で丹念に織り上げていく。手間はかかるし、野趣味のあるざっくりとした生地感は、晴れの着物には締められません。和装で過ごす人が少なくなった現在は、知る人も稀でしょう。

 かくいう私も、実家の母が持っていたのに しな布を全く知らず・・・その上、遺品整理中に「このごわごわした茶色の布は誰ももらってくれないだろうし、いらないいらない。」とポイと捨ててしまっていたのですよ。お母さん、ごめんなさ

 織物をいろいろ勉強するうちに「うわぁあれだ、あれだった💡」といたく反省したのです そしていずれ巡り合ったならば…と思っていたら・・・巡り合った IMG_1220.jpg

 ここ何年か、東北の織物を纏いたいと思うようになり、少しずつ集めております。山形、福島、新潟には本当にたくさんの織物があり、自然の美しさをいかした、とても手のこんだものが多いのです。(でも、割とお手頃だったりもする・・・)

 京都や東京の織物のような 華やかさや粋な感じはないものの、きっちりしっかりとした「確かさ」が東北の織物には感じられるように思うのです。それは、纏う人をも守るというか、少し強くなったような気にさせてくれるから不思議

 感染症だったり戦争だったり・・・時代が揺れているように感じる今日この頃。ブレない「確か」なものに惹かれるのは私だけでしょうかねぇ

(あなたの偏った収集熱は、少しブレた方がいいと、私は思うよ。いっぱい持っているんだろうけど、違いがわからない・・・by K場)

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