ロケット
私がまだ少女の頃、「ロケット」はいつか私たちを宇宙という夢の世界に連れて行ってくれるかもしれない魔法の乗り物でした。
1957年にソ連が打ち上げた世界初の人工衛星スプートニク1号。
1961年にアメリカのガガーリンが世界初の有人宇宙旅行に成功した時には、残念ながら私はまだ生まれていなかったので、世界中の熱狂を肌で感じることはできませんでしたが…
まさに20世紀は宇宙への夢が開いた時代、世界中の少年少女たちが宇宙飛行士に憧れ、この広い夜空の向こうにあるものを夢見た時代でした。
我が弟も多分に漏れず、狭い二段ベッドの上から「アポロ11号万歳」とか、「隊長、ドッキングに成功しましたぁ
」とか夜中に大声で寝言を叫んでおりましたよ。一度などは、半身を起こしてニヤニヤしながら手を振っているのを見て、恐くなって母を起こしに行ったこともありました
ジョアン・ミロも宇宙の時代に熱狂した一人だったのかしらん。
1959年作「ロケット」(アクアティント、エッチング)という小さな銅版画を入手しました

’59年に発表された作品ですから、’57年のスプートニク1号の成功に心騒いだのでしょうね。
言わずと知れた抽象画の巨匠の作品ですが、どうにも具象に見えるから笑っちゃいます。もやもやした宇宙空間。赤く燃える太陽の横をロケットが飛んでいるように見えます。左端のちっちゃな青い丸は地球?右端の鉄アレイみたいなものは…?
さてさて、誰がこの絵に目を留めるのか楽しみだなぁ 少年だった頃のときめきを胸に抱いている素敵な人を待ってみましょう
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