千鳥足

 和装好きが高じて、友人たちと「灯花会」なる着物好きの会を作っています。(娘には”絶滅危惧種の会”と呼ばれている
年に8回ぐらい季節の和服をまとって集まっては、お酒を飲みながらかしましく同じ嗜好を持つ者にしか味わえない 盛り上がった至高の時間を過ごしております。
 どんな小さな会にも、お金を司るしっかり者(会計ともいう)が必要なので、無理やりK場さんを引き入れ、無理やり着せていたら…「朱に交われば赤くなる」の諺通り、気がつけばオレンジ色くらいまで染まってまいりました。
今では、さっさっさーと髪をアップにまとめ、鏡もない画廊の事務所で一人で着られるようになりましたので 立派なものです。

 で、うちのK場さんはお酒に弱い。好きなのだが、あっという間に眠気に襲われ、足元がおぼつかなくなる(こうなっている時が一番可愛げがある気もする…)。そしてちょい飲みすぎると、帰りは100%千鳥足になります。

世の中では、酔っ払いのフラフラの足取りを千鳥足と呼ぶようですが、それは千鳥に大変申し訳ないことです 私がこれまで見てきた酔った方々の足取りの中で、唯一”千鳥足”と呼べるのは、うちのK場さんOnlyです(笑)

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 まず第一にリズミカル。右30度前方にトトトトト、そして左30度前方に方向を変えてトトトトト。小刻みに狭い歩幅で繰り返されるそのリズムは、美しいとさえ言えます。そして、とても速い  恐ろしく速い これぞ浜千鳥。

普通に歩いている私たちの前方 はるか彼方に消えていく後姿を見送りながら、見慣れない友人たちは「大丈夫かしらぁ~」と心配するのですが、長年連れ添っている私は「今夜もキレッキレにキレた足取りだなぁ」とほれぼれ眺めていたりします。

 もしあなたが、和服姿でトトトトト、トトトトトと美しくかけてゆく千鳥足の女性を見かけたら、それは間違いなくうちのK場さんです。

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