Let's go! 墓参り

 「今年の春のお彼岸は17日に始まるのかぁ。20日が春分の日で、その早朝が一番確率が高いでしょ… でも、週間天気予報は”暴風”の予報だから…  とすれば、天気の良い19日早朝8~9時に行くと思う。とすると― よし 18日に決行だ

 何のことはありません。私の実家の墓参りのことでした。 父は十三回忌、母は昨年七回忌法要を済ませました。どちらも享年73歳。現在では早くに亡くなった方かと思います。
 お盆や法要は別として、皆で揃って墓参りに行くことは難しくなってまいりました。何せ、弟家族は千葉在住。私の家族は仙台在住。そして何より両親の墓は気仙沼の山の上(それも海が見えるほどに小高いところ)にあるのですから
そこで、母の三回忌が済んだ頃より、「できる者が できる時に 皆の代わりに。」と思いを合わせております。お盆と元旦(そう、我が家は両親の墓参りで一年が始まるのです)は弟家族が頑張ってくれているので、お彼岸は私が一人でも行くことにしております。それも少し早めに、でも早すぎないように…

 それには訳がありまして… 母の三回忌が過ぎた頃、彼岸の中日に間に合わず翌日あたりに行ってみたらば、ピカピカッとお掃除された上に、どう見ても自分の所の分を取り分けた様子のお花がポショポショッと風に揺れておりました。

あーマズイ  きっと伯母上方(母方2名、父方3名 全員80代~90代)の誰か?もしくは誰々か?だろうと思うのですが、きっと早くに逝ってしまった弟や妹を不憫に思っただろうなぁ~。「可哀想に…」と言いながらお掃除したんだろうなぁと思うと、そう思われた両親にも申し訳ないが、伯母の姿を想像するだけで痛ましく、それ以降はお彼岸(特に春彼岸)の墓参りには、天気を読み、仕事や体調を繰り合わせて念には念を入れています。
 仙台から3時間弱バスに揺られ、気仙沼に到着次第「20分後に!」と花の手配をし、さっさと着替え、線香とチャッカマンとお水(ペットボトル)とお菓子と雑巾を持ってタクシーを呼び、「○○寺に行って、その場で30分待ってもらってから戻りたい。」と交渉し、花を受け取りつつ寺へ。 「何でこんなに上なのよ~」と心臓をバクバクさせながら、水桶とほうきを借りて階段を上り、上り。墓石の汚れにカラスを呪い、ゴム手袋を忘れた自分を呪い、手早く掃除を済ませてお花を形よく供えて、お線香に火をつけ… ふ~っと長い息を吐き、お供えしたばかりのお菓子とお水を頬張りながら「何とか今年も来たよ。また来れるように見守っててねー」とお願いしつつ手を合わせる。― こう書いてくると とても面倒そうだが、かなり気持ちの良い達成感がある

 そして、明日朝早く「あら、なんと!今年もちゃんと来てけだんだっちゃ~。きれいな花コだごど。よがったねー」と笑っている伯母の顔が目に浮かぶ。優しい伯母たち、従妹たち。早くに逝ってしまった両親の代わりに元気でいてほしい。寺の下りの階段は、なんと気持ちが良いのだろう

タクシーメーターはちょっぴり入り気になるが、復興しつつある故郷の景色を楽しみつつゆっくり下りる。そして、家に戻ったらビールをプシュッとやるのだ

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