小梅ちゃん

実家に小さな盆栽の梅の鉢があって、父は「小梅」と呼んでとても愛でておりました。


  毎年つぼみが開きそうになると ベランダからいそいそと室内に運ばれてきて、”早くも一輪咲きそうだ”と言っては喜び、”今年はことのほか香りが良い”と言っては喜び、食卓の丸テーブルの真ん中にちんまりと置かれて(よく覚えてはいませんが、26年前には確かにありましたので)、長きにわたって両親を楽しませてくれました。


10年前に世話をする父が亡くなり、何であれ切ったり摘んだりすることを嫌がる母が、ドーンとアバウトな鉢に植え替えた結果、世話をする人もいなくなって ぐれてしまったかのように適当に枝を伸ばしてしまった彼女(勝手に女の子にしてしまっているが、40過ぎの中年男かもしれない…)は、母に「梅子」と改名されてしまっていました。


3つ、6つの梅の実がくっつくようになった頃、6年前に母も亡くなり、しばらくは私が世話をしていましたが、5年前に気仙沼から千葉の弟の家にドナドナドーナードーナーと運ばれていきました。


  30年以上も鉢生活をしていた梅子にとって、千葉の大地はことのほか嬉しかったらしく、4年前に送られてきた写真は既に ちっちゃいながら”木”になっており、

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彼女は数年で爆発的に成長し、今年は2mの木に それも花がびっしりと咲いている写真がラインで送られてきた時は もうビックリ

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「食卓の真ん中にあって、皆で覗き込んでいた”小梅ちゃん”が、まぁ立派になって…」ウルウル 感慨深いです。


  いつか実際に行って、触って、花見をしてこなければ


そう言えば、いつまで生きるのかしらと調べてみましたら、100年の寿命はあるらしいので、口ばっかりで腰の重い私でも大丈夫そう。


願わくば弟よ、「小梅」の実で梅酒なんぞを作って、姉様に送ってはくれまいか 両親の仏壇で酌み交わす酒は、きっとことのほか美味いに違いないぞよ

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